ご挨拶

理事長交代のご挨拶

 前任の澤田陽太郎の後を引き継ぎ、理事長を拝命いたしました村木厚子です。前任者に引き続き、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
 当財団では、平成27年度以降、学業優秀で将来に高い志を持ちながら、労働災害により経済的困難のある家庭の学生に対し資金援助を行う奨学金給付事業を実施し、労働者福祉の充実と人材育成に努めてまいりました。他に類を見ないこの事業を今後とも大事に続けてまいります。
 一方で、私たちはこれまで以上に変化の速い時代を生きていくことになります。「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化が遅い時代も二度とこないだろう」、これはダボス会議でのカナダのトルドー首相の言葉ですが、私たちの生きるこの時代を端的に表しています。これに加えて、新型コロナウィルスの流行により、さらに先の読めない時代に入りました。
 こうした時代を私たちが、また、次の世代が生き抜いていくためには、科学技術の振興と、それを担い公益のために使いこなせる人材の育成が極めて重要であると考えます。このため、当財団では、かねてより当財団の目指すべき事業として掲げてきた「科学技術振興のための学術・教育及び研究」に関し、いよいよ、労働衛生研究助成事業を令和3年度からスタートをさせることといたしました。
 当財団が、これらの事業をしっかりと実施し、真に社会に貢献していくためには、関係の皆様からのご協力、ご支援が不可欠です。何とぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年11月

公益財団法人 酒井CHS振興財団
理事長 村木 厚子

設立趣意

 私どもは、戦後復興期に労働安全衛生保護具の研究から実質的な業を起して以来、安全保護・安全衛生分野で労働者の健康を守る製品を開発・供給することを通して、社会とともに発展して参りました。
 経営の方針は常に、「人間の生命の価値を最も高いものと考え、それに直接係わるClean,Health,Safetyを業務テーマとし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を社会に供給する」ことです。
 日本の経済成長を支えてきた労働者はいつの時代も厳しい環境の中にあります。労働安全についてみれば、この10年間でも毎年10万人を超える労災死傷者が報告されております。労災によって本人、家族が生活環境を一変させられ、経済的困難によって有能な人材の育成が阻まれる事態を見ます。
 本財団は、心身健全かつ学業優秀で将来に高い志を持ちながら、労働災害により経済的困難の中にある家庭の学生に対し資金援助を行い社会有用の人材を育成すること、及び、環境保全・労働安全衛生に関する学術・教育及び研究を行う団体等への資金援助を行うことにより、学生の健全な育成と、日本の経済発展及び“クリーン、ヘルス、セーフティ”な未来の実現に寄与することを目的に設立するものであります。

平成27年4月1日

設立者
酒井 眞一
酒井 宏之
興研株式会社